株式会社ミクニつくる まもる ひらく

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経営情報

株主・投資家の皆様へ

 株主の皆様におかれましては、平素より格別のご支援を賜り誠にありがとうございます。
 3年以上にわたった新型コロナウイルス感染症の拡大から世界はようやく社会活動を正常化し始め、景気は持ち直しの動きを見せています。一方で地政学的な緊張は続き、欧米ではインフレ抑制のため金融引き締めが論じられるなど、当社を取り巻く経営環境は変化を続けています。こうしたなか、2022年度は車両生産にある程度の回復が見られたことに加え為替換算の影響もあり、連結売上高は前期比増収となりました。半面、原材料費等の上昇による影響を受け、営業利益は減益となりました。
 自動車産業のサプライチェーンにおいて部品不足の影響があったものの、当社では北米を中心に船外機向け製品の需要が好調に推移しました。加えて、これまで注力してきたインド事業が着実に成長を続け、インドでの売上高は過去最高を更新しました。社会活動の正常化に伴い旅客需要も回復しており、航空機部品輸入販売事業の売上高は前期比58%増収と大きく伸びました。一方、原材料費、輸送費、動力費、労務費などのコスト上昇分を十分に販売価格に転嫁することが困難な状況でした。2023年度はコスト上昇分を適切に販売価格に転嫁するほか、省エネ活動、コスト低減活動をさらに推し進め、利益率の改善に取り組んでまいります。
 経営環境の変化に対応するとともに、当社ではより合理的な生産体制を構築するため、グループ全体の生産体制を見直しております。2022年度には中国の成都三国機械電子有限公司を解散し、その生産機能を中国の浙江三国精密機電有限公司に移管することを決定しました。これに伴い、生産拠点再編費用などの特別損失が発生し、当期純損失を計上しましたが、中国事業再編の完遂を含め、生産体制の最適化に努めてまいります。
 当社は、2023年に創立100周年を迎えます。100周年を機に全社で過去を振り返り、改めて自らの存在意義を問い直し、次の100年に向けて踏み出します。2023年度を最終年度とする中期経営計画「Vision 2023 Final STAGEリバイズ」の骨子を引き継ぎ、新たな中期経営計画を策定します。東京証券取引所の新市場区分については、新たな中期経営計画の策定とともに対応を検討し、決定する予定でおります。
 長期的な課題である2050年カーボンニュートラル達成に向けて、2030年までに温室効果ガスの排出量を原単位で2016年比半減する取り組みを進めております。さらに、開発拠点で温室効果ガスを排出しないカーボンゼロ開発にも着手します。環境に限らず、多様性の確保、健康経営など企業に求められるサステナビリティ経営を推進し、ステークホルダーの皆様の期待に応えてまいります。
 株主の皆様には、これからも変わらずご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

令和5年6月 代表取締役社長
生田久貴