対処すべき課題
当グループを取り巻く経営環境は経済や政治の動向のみならず、地球環境に関する議論の進展によっても影響を受けます。当連結会計年度においては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により四輪車用製品、二輪車用製品の需要が急速に落ち込み、自動車関連品事業が減収減益となりました。加えて、航空旅客需要の大幅な減少を受け、航空機部品輸入販売事業も減収減益となりました。当グループはモビリティ(移動)に対する需要は長期的に変化していくという前提にたって開発プロジェクトを推進し、生産性を向上し、様々な経営環境の変化に対応できる体制を築いてまいります。
<優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題>
当グループにおいては「ものづくり」を基盤とした持続可能な高収益企業を目指すことに変わりはなく、常に「安全と品質」「コンプライアンス」「教育と健康」を活動の基盤に置き、以下の課題に対処してまいります。
- 地球と社会の持続可能性を高め、自らも発展するというサイクルの実現
- 開発力、競争力を高める活動の継続
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
- 従業員エンゲージメントの向上
- キャッシュ保全と資金の安定調達
- 新型コロナウイルスの感染拡大防止
<経営戦略>
2023年の創立100周年を見据えた長期経営計画として、2013年に「VISION 2023」がスタートしました。「VISION 2023 1st STAGE」(2013年6月から2016年3月)において、売り方、買い方、開発手法、作り方、管理の方法を見直し、「VISION 2023 2nd STAGE」(2016年4月から2019年3月)において、開発力の強化、生産の効率化を進め、経営基盤の強化に取り組みました。2019年4月からの「VISION 2023 Final STAGE」においては、経営資源を効率的に投下し事業軸での取り組みに努め、以下の戦略、方策を推し進めることで課題に対処しております。
(1)環境課題解決への貢献
- 「カーボンミニマム」をテーマに温室効果ガス排出量の削減に努める
- 製品ライフサイクルの観点に立った環境に配慮したものづくり
(2)経営資源の最適配分
- 全体最適の視点から経営資源を配分
- インド事業の更なる成長に向けた戦略的な資源配分
(3)製品開発
- 開発、生産、購買、販売が一体となったフロントローディングとDXの推進による開発リードタイムの短縮
- 内燃機関の進化及び電動化に対応した戦略製品の開発
- モデルベース開発による開発効率の改善、提案力の強化、開発品質の向上
(4)顧客戦略、生産戦略
- グローバル市場における存在価値向上
- 顧客とのコミュニケーションを通じた戦略製品の拡販
- 仕入から生産、販売までを見通したトータルでのコスト削減活動の推進
- 生産拠点の再編
(5)競争力と自己変革力の強化を目指したDX
- あらゆるプロセスの時間短縮
- 「つながる工場」を目指した活動による生産の効率化と製造品質の向上
(6)人材戦略
- 従業員と中長期のビジョンを共有し、モチベーションの向上を図る
- 健康経営の推進による生産性向上
(7)財務戦略
- 財政状態の健全化
- 資本コストを重視した投資