株式会社ミクニつくる まもる ひらく

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対処すべき課題

 当グループを取り巻く経営環境は政治、経済の動向に加え、地球環境に関する議論の進展によっても影響を受けます。当連結会計年度において、世界景気は感染症拡大による影響から持ち直しの動きにあったものの、地政学的緊張の継続から資源価格が高止まりし、原材料費、輸送費などの上昇による影響がありました。こうした経営環境の変化に対応するとともに、当グループはモビリティ(移動)に対する需要は長期的に変化していくという前提にたって開発プロジェクトを推進し、生産性を向上し、様々な経営環境の変化に対応できる体制を築いてまいります。

<優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題>
 当グループは「ものづくり」を基盤とした持続可能な高収益企業を目指し、安全、品質、健康、教育、コンプライアンスをすべての活動の礎とし、以下の課題に対処してまいります。

  • 地球と社会の持続可能性を高め、自らも発展するというサイクルの実現
  • 開発力、競争力を高める活動の継続
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
  • 従業員エンゲージメントの向上
  • 適正に価格転嫁しコスト上昇に対応するとともに、キャッシュを保全し資金を安定調達
  • 感染症、地政学リスクなどによる事業環境の変化に対応し、事業継続する体制の維持

<経営戦略>
 2013年にスタートさせた長期経営計画「VISION 2023」を2021年に見直し「VISION 2023 Final STAGE」を推進しております。気候変動とデジタル化に向けた取り組みを強化することを計画に織り込み、以下の活動、施策、戦略を実行することで課題に対処してまいります。

(1)2050年カーボンニュートラルを目標にした活動
  • 2030年までにScope1とScope2の温室効果ガスを2016年比50%削減するための着実な取り組み
  • Scope3の温室効果ガスを削減するための販売、開発体制
(2)経営資源の最適配分
  • 全体最適の視点から経営資源を配分し、資源価格上昇などによる影響を最小
  • インド事業の更なる成長に向けた戦略的な資源配分
(3)コスト上昇への対応
  • 原材料費、輸送費、動力費、労務費などコスト上昇分の販売価格への適切な転嫁
(4)長期的な開発戦略に基づく製品開発の効率化
  • 電動化を中心にパワートレインの多様化を支える戦略製品の開発
  • 全社が一体となったフロントローディングとDX推進による開発リードタイムの短縮
  • モデルベース開発による開発効率と開発品質の向上及び提案力の強化
(5)グローバル市場における存在価値向上を目指した顧客戦略、生産戦略
  • 顧客とのコミュニケーションを通じた戦略製品の拡販
  • 仕入から生産、販売までを見通したトータルでのコスト削減活動の推進
  • 中国をはじめとするグローバル生産拠点の再編
(6)競争力と自己変革力の強化を目指したDX
  • あらゆるプロセスの時間短縮を実現するDXを推進
  • 「つながる工場」を目指した活動による生産の効率化と製造品質の向上
  • 事業環境の変化を予測し、素早く対応する柔軟性と機動力をもった組織づくり
(7)従業員エンゲージメントを高め、人的資本経営を推進
  • 従業員と中長期のビジョンを共有
  • 双方向のコミュニケーションにより従業員エンゲージメントを高め人的資本による価値を最大限に引き出す
  • 健康経営の推進による生産性向上
(8)ステークホルダーの期待に応える財務戦略
  • 経営環境の変化に対応し得る財政状態の実現
  • 資産の最適化、利益率の改善により投下資本利益率を向上