対処すべき課題
当グループを取り巻く経営環境は、当グループが事業を展開する各国の政治・経済の動向に加えて、世界的な脱炭素化の推進に伴う規制や技術の動向の影響を受けるほか、自然災害や地政学リスクなどを背景に不確実性が高まっております。
足元の経営環境については、以下のとおり認識しております。
- デフレからの脱却:「金利ある世界」への移行、物価上昇、賃金上昇
- 日本企業における競争力回復への動き:成長投資の加速、事業ポートフォリオ改革、収益性改善
- 労働市場の構造変化:生産年齢人口の減少、人材獲得及び定着を巡る競争の激化
- 働き方・業務プロセスの変化:AI活用の加速
- 企業価値に対する考え方の変化:ステークホルダー全体を意識した経営への要請の高まり
また、当グループが主要市場とする自動車業界においては、電動化の流れが進展するなか、電気自動車に偏らない多様な技術対応が進んでおります。さらに、コスト競争力や供給体制、開発スピードの優位性を有する新興国企業の台頭や、異業種からの参入による競争領域の拡大等により、グローバルな競争環境は一段と厳しさを増しております。
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営方針及び経営環境を踏まえ、2026年度を初年度とする「中期経営計画Ver.2」においては、成長基盤の確立に向けた取り組みを進めております。具体的には、財務基盤の強化、「ミクニならではのビジネスモデル」の再構築、人的資本の充実及び環境対応の推進を重要課題として位置づけております。
財務基盤の強化
「金利ある世界」への移行を見据え、当グループは継続的な成長投資と財務規律の両立を重要な課題として認識しております。その実現に向け、投下資本の効率化、運転資金の圧縮及び有利子負債の削減を進め、財務基盤の強化と資金創出力の向上を図ります。
こうした認識のもと、「中期経営計画Ver.2」において、主要な成果指標を従来のEBITDAマージンからROICに変更いたしました。資本効率の向上を重視する方針を明確化し、2033年度には、WACCを上回るROIC 7%水準の達成を目指しております(2025年度実績は約3%)。
強みを活かした「ミクニならではのビジネスモデル」の再構築
事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応するため、当グループの強みを活かした「ミクニならではのビジネスモデル」の再構築を重要課題としております。その実現に向け、事業戦略及び機能戦略を策定し、これらに基づく実行計画である「総合商品計画」を推進します。「総合商品計画」のもと、開発、生産・調達及び営業の各機能を一体的に連動させ、強みを成長機会の獲得と収益性向上につなげていきます。
<モビリティ事業戦略の概要>
| 事業戦略 |
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|---|---|---|
| 機能戦略 | 技術 |
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| 顧客基盤 |
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| 生産・調達 |
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また、収益基盤の安定化に向けて、ガステクノ事業や商社事業等の非モビリティ事業の強化を進め、事業ポートフォリオの充実を図ります。2025年度において、非モビリティ事業は連結営業利益の約35%を占めております。
人的資本の充実
健康経営を基盤とした人的資本経営を引き続き推進するとともに、「中期経営計画Ver.2」においては、処遇改善を柱とする人的投資の拡充及び人事基盤の整備に取り組みます。
事業戦略と整合的な人事制度への見直しを進め、人材育成、配置、評価及び処遇等の人材マネジメントの高度化を図ります。
これらの施策を通じて、労働生産性及びエンゲージメントの向上を図り、持続的成長の基盤を強化します。
環境対応の推進
環境対応の推進は、社会的要請への対応であるとともに、事業継続性の確保及び中長期的な企業価値の向上の観点からも重要な経営課題であります。2050年カーボンニュートラルの達成を目標に当グループの事業活動における環境負荷の低減を引き続き推進します。
グローバルガバナンス体制の強化
上記の重点課題に着実に対応していくためには、強固なガバナンス体制及び実効性のある内部統制の維持・強化が重要であると認識しております。連結子会社の元従業員による不正行為を厳粛に受け止め、再発防止策の着実な実行を通じて、グローバルガバナンス体制の強化を図ります。