対処すべき課題
当グループを取り巻く経営環境は、当グループが事業を展開する各国の政治・経済の動向に加えて、世界的な脱炭素化の推進に伴う規制や技術の動向によって影響を受けるほか、自然災害や地政学リスクなどを背景に不確実性が高まっております。こうした経営環境のもと、長期的には当グループの主力分野であるモビリティ(移動)に対する需要の変化への対応を課題として認識し、具体的には下記の課題への対処を進めております。
<優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題>
上記の経営方針及び経営環境を踏まえ、当グループでは対処すべき主な課題を以下のとおり認識しております。
- 地球や社会の持続可能性を高めることへの貢献
- パワートレインの電動化やエネルギーの多様化などへの対応
- 感染症、自然災害、地政学リスク、ITインシデントなどに対する事業継続マネジメント
- 世界的なインフレに伴う物価高及び人件費上昇への対応
- 少子高齢化による生産年齢人口の減少を見据えた人的資本経営の推進
- 健全な財務基盤の維持
<経営戦略>
上記の課題に対処すべく、2024年4月からスタートさせた長期ビジョンVISION 2033では、「競争力の強化」と「企業特性を活かせる成長分野への挑戦」を基本方針として、以下の取り組みを進めております。
(1)2050年カーボンニュートラルを目標にした取り組み
- 省エネ活動・再エネ利用・エネルギー転換の推進
- サプライチェーンの上流・下流における温室効果ガス低減活動の継続展開
(2)グローバル市場における存在価値向上を目指した取り組み
- パワートレインの電動化やエネルギーの多様化などに対応する技術・顧客・生産/調達戦略に基づいた総合商品計画の策定と遂行
- エンジニアリングサービス領域の拡大、システム提案力の強化
(3)変化にすばやく対応できる開発・生産体制の構築に向けた取り組み
- 小ロット生産体制やサプライヤーと一体となった高効率サプライチェーンの構築
- あらゆるリードタイムを短縮するプロセス改革の推進
(4)コスト上昇に対する取り組み
- 販売価格への適切な転嫁とサプライチェーン全体でのムダ排除によるコスト低減活動の推進
(5)労働力人口の減少に対する取り組み
- IT活用やロボット導入などの一層の推進による、ひとが行う業務の絞り込み加速
- エンゲージメント増強プログラムの継続、健康経営におけるホワイト500認定の維持、リカレント教育拡大などによる現有人材の生産性向上及び離職率の低減
- 2024年4月から運用開始した役割等級制度の円滑な運用
(6)健全な財務基盤の維持に向けた取り組み
- 在庫適正化や投資効率向上などによるキャッシュ・フロー及び資産効率の改善
- 成長分野・得意分野への重点投資を含めた経営資源配分の全体最適化